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本番環境で安定稼働させるためのAWS EC2 Auto Scaling実践戦略

hapo
Vân Anh
2026年3月5日
15分で​読む
本番環境で安定稼働させるためのAWS EC2 Auto Scaling実践戦略

Auto Scalingは​仕様上は​非常に​シンプルに​見えます。​トラフィックが​増えれば​EC2インスタンスを​追加し、​減れば​削除する。​しかし、​本番環境では​まさに​その​瞬間から​問題が​発生し始めます。

Auto Scalingの​失敗の​多くは​「スケーリング機能」​その​ものが​原因では​ありません。​問題は、​システムが​そもそも​「インスタンスが​自由に​増減する」​前提で​設計されていないことに​あります。

例えば​:

  • マシン間で​設定が​ずれている
  • データが​ローカルディスクに​依存している
  • ロードバランサーが​早すぎる​タイミングで​トラフィックを​流す
  • 新しい​インスタンスの​挙動が​既存と​異なる

スケーリングが​発動した​瞬間、​これらの​弱点が​一斉に​表面化します。

安定した​EC2 Auto Scaling環境は、​次の​前提に​依存しています。

「どの​仮想マシンも、​いつでも​置き換え​可能である」

以下では、​この​前提を​現実の​本番環境で​成立させる​ための​実践的な​設計判断を​整理します。

 

1. インスタンス選定と​分類

Auto Scalingは​誤った​インスタンス選択を​修正してくれません。​それを​「増幅」するだけです。

新しい​インスタンスは、​実際に​処理能力を​増加させなければなりません。​新たな​ボトルネックを​作ってしまえば​意味が​ありません。

インスタンス選定は​以下から​始めるべきです:

  • 実際の​本番負荷での​挙動
  • CPU・メモリ・ネットワーク​使用傾向
  • 過去の​慣習や​単純な​コスト比較ではなく、​実測値
     

主な​インスタンスファミリー比較

インスタンス種別

技​術特性

主な​用途

Compute最適化​(C)

高CPU比率

データ処理、​バッチ、​高トラフィックWeb

Memory最適化​(R/X)

高メモリ比率

Redis、​SAP、​Java系アプリ

汎用​(M)

バランス型

バックエンド、​標準アプリ

バースト型​(T)

短時間CPUバースト

Dev/Staging、​断続的負荷

本番稼働後は、​CloudWatchメトリクスや​AWS Compute Optimizerを​使い、​サイズを​再評価すべきです。​想定と​実測は​ほぼ​必ず​ズレます。

バースト型​(T)​インスタンスの​注意点

CPUベースの​Auto Scalingでは、​T3/T4gは​注意が​必要です。

  • CPUクレジット枯渇後に​性能が​急落
  • ヘルスチェックは​正常でも​実際は​応答遅延
  • その​状態で​スケールアウトすると、​遅い​インスタンスが​増えるだけ

結果と​して、​負荷が​軽減せず悪化する​ケースが​あります。

Mixed Instances Policy

Auto Scaling Groupでは、​Mixed Instances Policyを​活用すべきです。

メリット:

  • On-Demand​(基礎負荷)​+ Spot​(変動負荷)の​組み合わせで​70~90%コスト削減
  • 複数の​同等インスタンスタイプ​(例:m5.large / m5a.large)を​利用し、​AZ単位の​キャパシティ不足リスクを​軽減

 

2. AMI管理と​イミュータブルインフラ

「いつでも​置き換え可能」と​いう​前提が​あるなら、​設定は​インスタンス内部に​存在してはいけません。

手動​修正や​例外対応が​始まった​瞬間、​マシンは​徐々に​不整合を​起こします。​通常時は​問題に​ならなくても、​スケール時に​顕在化します。

AMIを​デプロイ単位と​する

変更は​常に​新しい​AMIを​作成して​行います。

  • インプレースパッチは​禁止
  • 設定の​暗黙的継承なし
  • 置き換えは​制御された​操作に​する
     

ハードニング

  • OSアップデート
  • セキュリティパッチ
  • 不要サービス削除

すべて​AMI内で​完結します。

エージェント統合

  • Systems Manager
  • CloudWatch Agent
  • ログ転送ツール

起動直後から​観測・​管理可能な​状態に​なります。

バージョニング

AMIは​明確に​バージョン管理。​ロールバックは​バージョン切替で​実施します。

 

3. ステートレス設計と​ストレージ戦略

 

ローカル状態は​置き換え前提と​矛盾します。

よく​ある​誤り:

  • ローカルディスクに​データ保存
  • キャッシュを​永続扱い
  • 再起動後も​ファイルが​残る​前提

Auto Scaling下では​成立しません。

EBSと​gp3

  • ブート用途や​一時用途には​適切
  • 永続システム状態には​不適切
  • gp3は​性能と​容量が​分離され​予測可能
     

永続データの​外部​化

  • 共有ファイル → Amazon EFS
  • 静的アセット → Amazon S3
  • データベース → RDS / DynamoDB
     

終了は​正常動作

守る​べきは​インスタンスではなく​アーキテクチャです。

 

4. ネットワークと​ロードバランシング設計

ネットワークは​「障害は​通常発生する​もの」と​仮定すべきです。

マルチAZ構成

最低3AZに​跨る​設計です。
1AZ障害でも​サービス継続します。

ヘルスチェック猶予期間

起動直後の​ウォームアップ中に​異常判定されるのを​防ぎます。
例:300秒

セキュリティグループ設計

  • 直接公開しない
  • ALB経由のみ​許可
  • 暗黙的信頼を​排除

 

5. 高度な​Auto Scalingメカニズム

CPUのみの​閾値ベース制御は​不十分です。​実際の​トラフィックは​不規則です。

Dynamic Scaling​(Target Tracking)

  • CPUやリクエスト数を​目標値で​制御
  • 固定閾値より​安定
  • 過剰・​不足スケールを​抑制

詳細モニタリング​(1分粒度)は​必須です。

Predictive Scaling

過去14日以上の​データを​基に​事前スケール、起動時間が​長いワークロードに​有効です。

Warm Pools

  • 停止状態で​待機
  • スケール時に​即In-Service
  • 実行中容量を​増やさず​高速化

 

6. テストと​調整

「置き換え可能」であるなら、​実際に​置き換えを​テストする​必要が​あります。

負荷テスト

Apache JMeter等で​スパイクを​再現します。

観察ポイント:

  • スケール後に​安定するか
  • レイテンシ悪化しないか

強制終了テスト

インスタンスを​意図的に​削除し、​ASG自己修復確認します。

クールダウン調整

過敏な​ポリシーに​よる​スラッシング​(頻繁な​増減)を​防止します。

 

結論

Auto Scalingは​「インスタンスの​置き換えを​例外ではなく​通常操作と​して​扱う」​場合に​のみ​安定します。この​前提が​システム全体で​徹底されていれば、​スケーリングは​不安定な​要素ではなく、​制御可能な​仕組みに​なります。

現在AWSで​Auto Scalingを​運用中で、​以下と​いう​場合は、​ぜひHaposoftまで​ご相談ください。

  • 本当に​置き換え​可能な​設計に​なっているか​確認したい
  • 負荷下での​挙動を​検証したい

現状構成の​レビューや​負荷環境での​検証支援を​実務視点で​サポートいたします。

 

 

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